2007-01-01から1年間の記事一覧

クレイドゥ・ザ・スカイ

このシリーズを最後まで読めてよかった。土日に本をきちんと読むのは久しぶりで、とても気持ちよく読めました。この気分の良さが読書の効果だとしたら、私は死ぬまで読むことを辞めないでしょう。この世界がビジュアライズされると思ったら、堪らなく楽しみ…

真夜中の五分前

最初、モテる男が女のことでぐだぐだ抜かす本だと思って、読むの辞めようかとしたんですが、我慢して読み進めていったら、なかなかよかったですよ。直木賞候補だったって、今知りました。双子で仕掛けてくるところがわざとらしくない(sideBの冒頭はちょっと…

トリックスターズD

この手の叙述系は得意なんで、分かっちゃいました。まあ負けず嫌いの虚言ですよ。トリックスターズD (電撃文庫)作者: 久住四季,甘塩コメコ出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/04/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ …

トリックスターズL

先生がもうなんか美人とかどうでもいいの? この性格だけで押してますよね。それと、そんなわけねーだろ、と誰も突っ込まないなんて、ちょっとなあ。トリックスターズL (電撃文庫 (1174))作者: 久住四季,甘塩コメコ出版社/メーカー: メディアワークス発売日:…

トリックスターズ

まあ、意地っ張りの虚言と取られても構いませんが、その仕掛けには気づいたよ。この場合、「どの仕掛けに」気づいたのかが問題なんでしょうが、全作通してやってるアレです。読んでいる人には分かるし、読んでない人には、どんだけ壮大やねん、と思わせると…

雨の恐竜

最初に提示されたキーワードを最後にはっと思い出させるのがうめぇ。流石正紀だな。賢明なる女子中学生たちが、自分の人生と向き合う姿も描かれているが、その変化も含めてタイトルが効いてくる。叔父さんがカッコいいと思うのは、俺が年齢的・精神的に近づ…

[本}どんがらがん

編集が殊能先生ってことで、作品の並びに気をつけながら読みました。が、どれもこれも方向が色々で、よくつかめませんでした。「どんがらがん」がファンタジーの人向け、「ラホール駐屯地での出来事」がミステリーの人向け、「サシュヴラル」がホラーの人向…

EDGE 5

四巻で予想した方向とは違いますが、自立した人間としてお互いに認め合った上でのこの結末に納得。ちょっと詰め込みすぎかなーと思いますが、こんなもんでしょ。EDGE5 ロスト・チルドレン (講談社X文庫 ホワイトハート)作者: とみなが貴和,緋乃鹿六出版社/メ…

冥王星パーティ

私が書く感想なんてものは主観か私見のどちらかですので気にしないでいただければよいのですが、いかにも男性が描いた女性っぽい感じで、これを知り合いに薦める気にはならないなあ、といったところです。まあ私はそんなに女性の心理を知りませんので、共感…

EDGE 4

犯人の心情が徐々に変化していくのが良い。その書き方に無理がないように私は思った。錬摩と宗一郎は、最終的にそれぞれの自立に向かっていきそうな気配を感じている。最終巻への伏線もありつつ、どのように進んでいくのか。まあ、期待してみようと思う。EDG…

奇術師(プレステージ)

再読する気が湧くくらいに短ければ、もっと楽しめると思います。何重にも張り巡らされた仕掛けに惑わされ、真実を掴むことができないこの物語のトリック。その正体は文章から読み取るしかないのでしょうが、その労力は計り知れないと思います。訳者はわかっ…

鹿男あをによし

鹿男で月を跨ぐのはイヤだったので、なんとか読了。剣道の最後の試合で涙ぐんでしまいました。ええ話や。でも邪馬台国は九州にあったんだ、と意地っ張りは申しておきますよ、根拠レスですけどね。最後は主人公がどういうわけかカッコいい奴になっております…

人類は衰退しました

これがガガガ文庫のジツリキか! すげーびっくりしました。こんな絶妙なラインを走る作品が登場するなんて。そらネットで評判になるわー。人類の会話が実に愉快で、声色使って読み分けようかと思うくらい。SF風味も漂わせつつ、ほわっとした空気は損ねない…

風味絶佳

あィタぁ。私が得意としないジャンルの話でした。得意としないというのは、別に内容が合わないということではなくて、防御も反撃もできない、不得手(←得意じゃない、を言い替えただけジャナイカ)な角度から攻めてくる本だった、ということです。連城三紀彦…

EDGE 2

『サマーバケーションEP』との繫がりを意識せずにはいられません。この<井の頭公園〜東京湾>の流れって、東京の人にとって何か意味のあることなんでしょうかね。ルビ振ったら隣の行と溶け込んでしまい、一行が認識しずらくなるのはよくありません。講談社…

EDGE

ホワイトハートって読んだことなかったんですが、こういう作品は少ないんですよね? これがレーベルのメインストリームだったら、かなり驚く。サスペンスって久々に読みました。プロファイリングについて延々と語ったりするのかと思っていましたが、全然そん…

オイレンシュピーゲル

オレインって読んでた。はまぞうで引っかからないなあ、と思って見返したら、オイレンだった。スプライト〜〜よりこっちの方が好きかな。スニーカーの方が対象年齢高いってのは、何か根拠のあることなんだろうか。アクションはやっぱりマルドゥックの方がカ…

WXIII

おお、ギリシャ数字はこうやって入力するのか。パトレイバー劇場版ってこんな感じだったっけ。まあどっちにしろ好きなんでいいです。WXIII 機動警察パトレイバー [DVD]出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2002/09/25メディア: DVD クリック: 10回こ…

ダーティ・ワーク

大きな出来事が起こるわけでもなく、さり気ない物語を繰り広げていく人々を描いた連作短編集。落ち着いた大人の空気を漂わせる彼らがとても好きです。こういう風に日常を過ごせるようになるといいですね。一時の高まりで情熱的に取り組んでしまうと、冷めた…

酸素は鏡に映らない

上遠野作品は少なからず読んでおりますが、これはまた上遠野上遠野した作品ですな。謎は謎のままでいーじゃん。下手に説明しようとしない上遠野はスタンスがしっかりしてるので、それはそれでいいんじゃないでしょうか。ミステリーランドって何か、子供を甘…

イナイ×イナイ

えっくすしりーずだいいちだん。作中にも、MLAの日記にも度々登場する真空管アンプの真空管が表紙、なのかな? 真空管というものの実物を見たことが無いので、デザイン(装飾)を施されたものなのか、シンプルに真空管なのか、判断できません。芸大生って、…

黄昏の百合の骨

おんだりくはやっぱりすごいなあ。何作読んでも面白い上に、次郎化しない多作の人。もう書かなくてもいいくらいに稼いでいるだろうに。死亡フラグとか展開とか、結構分かりやすいんですよね。でもそれが面白いんですよ。スタンダードナンバーを弾いているの…

スプライトシュピーゲル?

出版社の違いが濃度の違いか。マルドゥックシリーズと比較すれば随分と「濃さを控えた」作品ですが、抑えていても冲方氏はこれくらいのテンションが出るのですね。記号を読み飛ばしていい、ってのはもっと早く言って欲しかった。各章の出だしがテンプレ的に…

コップとコッペパンとペン

ざく、ざく、と歪めてしまう手腕がすごい。手品師みたいですね。ざくざくの次はじわ、と捻ってみせる。奇術師みたいですね。各部分を見ると全くもって真っ直ぐなのに、集まった瞬間にトリックが生じる。そういう小説です。読むときはきちんと時間を確保して…

サマーバケーションEP

そうそう、本って顔が見えないよね。この本は語るより読んでもらうのが早いと思う。流れる様は人生のように、分岐と合流を繰り返しつつ。サマーバケーションEP作者: 古川日出男出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/03/15メディア: 単行本購入: 1人 クリッ…

炎のなかの絵

全部が良い、とは言いませんが、総体的に見たらスゲえ短編が集まった一冊。「夢判断」から始まって、うねる様に繰り出されるパフォーマンスに、読者である私は踊らされているかのよう。様々な話があるのに、スタンダードと言えるようなものが無いのがいいな…

オリエント急行の殺人

今までこのネタを知らずに居られた幸運に感謝ですね。正確に言えば、どうやら知っていたようなのですが、タイトルと筋とオチと、これらが一体となった状態では記憶していなかったので、無事楽しめました。ポアロ流石。犯人が●●なんです! と書かずにいられな…

ジャージの二人

読み終わってからちょっと時間経ってるもんで、かるくページを捲りながら書きますが、このフォントいいですね。見た目で一発書体当て、とかできないので、何のフォントか判る人に訊きたいところ。ふむふむ。47ページとか好きです。非日常の中の神聖な出来事…

アンダカの怪造学 1と2

風呂読み用の本として活躍する予定だったんですが、二巻まででもうお腹いっぱいかも。いちおう三巻まで持っているんですが、どこに行ったのかわからないし。正直なところ、そこは十年前に通り過ぎた──! というか、それは言い過ぎですけど、まあ五年は固いか…

おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill

奥菜恵のブチ切れがもう可愛いくぁいい。こういう怒り方されてみたいなあ、小学生いいなあ。本筋のストーリーは、まあ、のんびりと観るのが丁度いい感じですよね。入り込む、というほどではなかった。血糊まみれの死体と話をするところが、どういうわけか印…