2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ダークエルフの口づけ

ん、続編があること前提だとしても、伏線、と言うよりも2巻以降で明かされる秘密を仄めかす文章が多すぎ。単発で楽しめないシリーズ物ですね。主題となった都市はまあ悪くないと思うけど、権謀渦巻く都市って感じじゃないなあ。ほかの都市との差別化としては…

抑制された幸せ

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/09/01メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 186回この商品を含むブログ (178件) を見る飛浩隆、良い表紙をつけてもらえたな、よかったな、とつくづく…

少し変わった子あります

森博嗣が『注文の多い料理店』を書きましたよ、と説明すると一番正確じゃないかな。淡々と進められていく物語の中に森的ないつものやつが挟み込まれていて、これがまた毎度毎度呻きたくなるほど羨ましい。自分には無いからこそ羨ましい。僕は人が、というか…

太陽の塔

これに影響されてしまった現役学生は、きっと華やかさとは決別したような大学生活を送ることになるんだろうなあ。悪いとは思いませんが、もっと華のある生活もいいと思います。ま、僕はどっちかというと、影響されるまでもなく、この本みたいな学生生活でし…

ぼくだけの☆アイドル

ニートじゃねぇぇぇぇ! ニートというかヲタに関する中途半端な知識で書き始めたってのが丸分かり。最後のオチにしても、もっとすっぱりと分かるんだから引っ張るなよ、と。グチグチ悩みまくる六本木のダイビングショップ店員の俊哉の方が面白くなりそうな気…

動物のお医者さん 文庫版1〜8

名作名作と言われているのは知っていましたが、読んだのは初めて。個性豊たかな登場人物が、それぞれ元気に動き回って大変楽しい作品でした。ハスキー犬が流行ったのも分かるなあ、ちょっと飼いたくなるもんなあ。「オレはやるぜ」のシーザーがいい。犬嫌い…

樹霊

<観察者>のシリーズならシリーズだと、最初に書いてくれよ創元さん。そんな理屈で樹が動いた理由を説明してしまうのか、とバカミスっぷりの一端を見せ付けられたような気もしますが、まあ、言うほどバカではなかったと思います。最後に犯人が喋り出すのは…

八月の熱い雨 奮闘記>

ベタなストーリーであるところに味があるものと判断します。もっと捻った話をつくるのも面白いと思いますが、このくらいの流れでいくのも一興かと。善意とか思いやりで構成された物語だよなあ。要は人情記を書きたいんでしょうね。もっと悪意がドロドロした…

ハチミツとクローバー 10

福岡では本日が公式の発売日デス。落ち着くところに落ち着く、こういう話があってもいいじゃないですか。爺さんたちが大活躍ですよ。青春様に乾杯じゃー。職場でハチクロ回して広めたりしましたな、そういえば。ふとしたときに読み返してはワキワキする作品…

ボトルネック

もしかして米澤穂信は、厭世しまくっているけど、それでも生きようとする人、そういうものを書きたいのかな、と思った。勘のいい女の子は、味方につけると幸せですよね。ああでもなあ、自分が生まれていなかったら、なんて痛いなあ。『ボトルネック』と聞い…

λに歯がない

最初から事件が起こっているなんて、森にしては珍しい展開ですね。となると、物語全体が謎解きのために費やされることになるので、まあそういうのが好きな人が楽しいんじゃないでしょうか。私は加部谷のはっちゃけぶりが好きなので。λに歯がない (講談社ノベ…

クビキリサイクル

発売当時に読めばよかったよ……。今となっては、西尾作品もいくつか読んでいるだけに、まだ作者に馴染んでいない文体が気になってしまった。順番に読むって、ときには大切ですね。クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,ta…

魂の駆動体

クルマと、自転車と、翼の物語。男の子なら読んでみなって。ここに描かれている一体感、疾走感への欲求は、きっとみんなが持っているものだと思う。魂の駆動体 (ハヤカワ文庫JA)作者: 神林長平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2000/03/01メディア: 文庫 ク…

八月の路上に捨てる

ストーリーの予備知識がなかったため、これから結婚しようとする人にこの本を差し上げてしまい、大慌てしましたが、読み終わってみると、これは有りなんじゃないかと思い直しました。さっぱりとした仕上がりですね。あくまで私見ではありますが、人が離婚す…

独白するユニバーサル横メルカトル

数学への執着によって呼び起こされる結末が、割り切りのようなそうでないような、妙に清清しさを感じさせる「Ωの晩餐」、芸術が人を堕落させるものとされる世界で、最後に決まるキックが最高に気に入った「オペラントの肖像」、タイトルとそのアイデアが秀逸…

名探偵はもういない

霧舎巧の描く恋愛要素の展開が凄すぎるのでディスってる(ディスってるは言いすぎだっけ?)、という意見がありましたが、私は単なる人間関係の説明と捉えているので、別段苦にはなりません。若干エロゲ入ってるなあと思うだけです。どのへんで「見破った!…

夜のピクニック (新潮文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 150回この商品を含むブログ (644件) を見るようやく、ようやく買いました。文庫落ちって素敵ですね。神のロジック 人間のマジック (文…

ひと夏の経験値

TRPGを理解する前提があり、尚且つこの甘っちょろいストーリーにめげない精神力(若さ、あるいは老成)が必要とされますが、それがあれば読了は簡単です。安田均がこういうのを褒めているのを読むと、アンタが今のSNEのラノベ路線を推してんのかい、とツッコ…

カクレカラクリ

これを森だと思われると心外、と言うほど入れ込んでいるわけではありませんが、ちょっと違うな、と思います。読者には答えを明示しないで、登場人物の間では回答がわかっている。この構図が森らしくてややウケ。ファンなら捨てられないですよね、何せドラマ…