愛についてのデッサン
父親、愛、古本(詩)、と三点を軸に進んでいく、謎を孕んだ連作短編集。後書きにありますが、詩的な要素を抑え込んで、難解さをできるかぎり排除して、広く読まれるように書いたのではないかな、と想像します。それでも溢れる情感は圧倒的。読んでいること自体を忘れさせ、終幕を迎えてから呼吸を思い出すような、うーん、イマイチ表現しきれていませんが、そういう作品です。人に貸す予定でしたが、本棚に仕舞っておきます。
- 作者: 野呂邦暢
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2006/06/20
- メディア: 単行本
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