愛についてのデッサン

父親、愛、古本(詩)、と三点を軸に進んでいく、謎を孕んだ連作短編集。後書きにありますが、詩的な要素を抑え込んで、難解さをできるかぎり排除して、広く読まれるように書いたのではないかな、と想像します。それでも溢れる情感は圧倒的。読んでいること自体を忘れさせ、終幕を迎えてから呼吸を思い出すような、うーん、イマイチ表現しきれていませんが、そういう作品です。人に貸す予定でしたが、本棚に仕舞っておきます。

愛についてのデッサン――佐古啓介の旅 (大人の本棚)

愛についてのデッサン――佐古啓介の旅 (大人の本棚)